【入門書】イスラエルのスタートアップ関連のおすすめ本5選を紹介

Books on start up nation israel NEWS
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突然ですが、中東の国イスラエルと聞いて何を思い浮かべますか?
知っている方もそうでない方も、イスラエルはスタートアップの聖地として有名です。

スタートアップといえば、真っ先に名前が挙がるのがアメリカ・シリコンバレーですが、それに負けず劣らず盛り上がりを見せています。

ただ、そもそもイスラエルという国自体がよくわからない、さらにスタートアップが盛んと言われるとより訳が分からないという方もいるかもしれません。今回はそんな方向けにイスラエルのスタートアップに関連するおススメの本を5冊紹介します。これを読めばOKという本を厳選しました。

  • なぜ中東・イスラエルでスタートアップなのか。どんな理由があるのか知りたい
  • イスラエルでスタートアップは聞いたことはあるが、概要をもう少し把握したい
  • イスラエル・スタートアップに関する本を探している


なお、今回は本の概要のみの紹介ですが、一部ネタバレを含みます。自分で読みたいという方は、結論だけ読んでからご自身で読んでみてください。

これを読めばOK。イスラエルのスタートアップの概要がわかります

今回紹介するのは下記5冊です。このどれかを読んでいただければ、イスラエルのスタートアップについて概要を十分把握できます。気になる本をチェックしてみてください。

この5冊からならどれでも大丈夫です。
が、強いて言うならばということで、特におススメしたいものからご紹介します。

アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか? (START-UP NATION – The story of Israel’s Economic Miracle)

イスラエルのスタートアップの本を1冊だけ紹介してと言われたら、迷わずこれをおススメします。
著者はダン・セノールとシャウル・シンゲルの2名です。

start up nation israel

原題は”START-UP NATION – The story of Israel’s Economic Miracle”の日本語訳です。

個人的には、原題を日本語版でも使用したほうが正しく伝わると思いましたが、日本語版にはGAFA企業の名前を入れることで目を引くタイトルになっています。

ニューヨークタイムズでもベストセラーにもなっており、もはやイスラエル・スタートアップ本のバイブル的な本と言っても過言ではありません。

なぜ、イスラエルでスタートアップが盛んなのかを、主に文化と歴史の側面から体系的に紐解く1冊です。この分野ではパイオニア的な本です。後から刊行されている本も、この本の二番煎じ的なところがあります。この本を読んでおけば間違いないということですね。

実際、イスラエルの書店でもうず高く積まれているのを何度も目撃しました。
まずは俯瞰的に学びたい方にはベストな本です。

アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?――イノベーションが次々に生まれる秘密

タルピオット イスラエル式エリート養成プログラム

こちらは2020年に刊行された比較的新しい書籍です。著者の石倉洋子さんは、新設されたデジタル庁のデジタル監に就任された方です。ハーバード大学院を出られ大学などを経たのち、就任しました。

talpiot

この本はタイトルにもある通り、イスラエルがスタートアップ大国となりえた理由の1つとして、イスラエル国防軍 (IDFと呼ばれる)独特な養成プログラムに焦点をあてています。

「タルピオット」がその養成プログラムの名前で、高校を最も優秀な成績で卒業した候補生を選抜して英才教育を施すプログラムになっています。

網羅性や体系的というよりは、既にある程度イスラエルの状況を把握している方にはおすすめかもしえれません。イスラエル大使館の関係者から起業家など多くのインタビューが掲載されており、ストレスなく数時間で読了できます。

タルピオット イスラエル式エリート養成プログラム

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起業家精神のルーツCHUTZPAH (Chutzpah: Why Israel Is a Hub of Innovation and Entrepreneurship)

2021年に刊行されました。インバル・アリエリさんという現地の方が著者です。

why israel is a hub of innovation and entrepreneurship

今回紹介した著者の中で、唯一の女性でありながらイスラエル君のエリート諜報部隊である8200部隊の出身です。

この本は、イスラエルでスタートアップが盛んなのはCHUTZPAH(フツパーと発音します)」が起業家精神の根幹であり、訓練することで誰でもこのメンタリティを養うことができると述べている点です。

フツパーはヘブライ語で「厚かましさ、大胆不敵さ、ずううずうしさ」を意味します。ネガティブな意味の言葉に聞こえますが、イスラエルでスタートアップが花開く上で欠かせないものだと筆者は主張しています。

フツパーの精神については他の本でも共通して書かれており、私自身の経験を振り返っても確かに..とうなずける内容です。

イスラエル行きの飛行機を待っていたときのこと。航空会社の手違いで、乗客の座席に大幅に変更になりました。同乗していた日本人やロシア人、トルコ人はおとなしく案内に従っていたものの、イスラエル人数人だけは人目もはばからず「いやだ、なぜなんだ。」とごねまくる。

彼らの気持ちを想像するに、クレームを言うつもりはなくただ疑問をぶつけているだけなのです。キャンセルになったわけでもないのに..と日本とは全く異なる価値観に衝撃を受けました。

言葉を選ばずに言えば、時に無礼とすら感じるまでの突き抜けた強情さ、厚かましさ、主張の強さがスタートアップという世界においては、起業家たちのエネルギーの源泉になっていると感じます。

知人のアメリカ人が「世界中で付き合うのに一番エネルギーが必要なのはイスラエル人だ」と言っていましたが、まさにその通りと感じました。

起業家精神のルーツ CHUTZPAH イスラエル流“やり抜く力”の源を探る

スタートアップ大国イスラエルの秘密

この本は株式会社イスラテックの代表取締役である加藤清司さんが書かれています。

この本では文化や歴史メンタリティといったソフト面よりは、イスラエルのスタートアップエコシステムの解説や有力企業の紹介、イスラエルに拠点を置くグローバル企業などの実務的な側面に多く紙面が割かれており、実際のイメージが湧きやすい内容になっています。

著者の加藤さんご自身が現地で事業経営を通して生の経験が書かれていることがよくわかります。
机上の空論ではなく、現場の経験に基づくところがこの本のおススメポイントです。

secrets of israel as a start-up nation


また、日本企業に向けてのどうイスラエル企業との関わり方についても書かれています。
これはイスラエル人の著者にはない視点ですので読んで新たな気づきが得られると思います。

スタートアップ大国イスラエルの秘密

世界のエリートはなぜ「イスラエル」に注目するのか

こちらも新井均さんという日本の方が書かれています。

彼が研究者としてキャリアをスタートさせ、ご自身でビジネスを展開される上でイスラエル技術を使ったということで読んでいてしみじみ感のある内容になっています。

why elites in the world look to israel

意外と知らない、身近にあるイスラエル技術の紹介から始まっているところも、はじめて学ぶ方には親近感を持って読み進められる構成になっています。

その後も、石倉さんの本でも取り上げられているタルピオットと呼ばれる養成プログラムや文化的土壌についても書かれているので網羅的に理解することができます。

世界のエリートはなぜ「イスラエル」に注目するのか

イスラエルのスタートアップは今後さらなる盛り上がりを見せること間違いなし

今回は初心者向けに、イスラエルのスタートアップ関連の本を5冊紹介しました。5冊読むのは大変という方は、まずは「アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?」で超概要を理解した後に、深く知りたい点を他の4冊で掘り下げるのがおススメの読み方です。

これは一過性のトレンドではなく、今後もイスラエルはスタートアップの聖地としてより存在感を強めていくことになると見ています。日本からも現地に行きイノベーションを起こす起業家がどんどん出てくるはず。今後に期待です。

なぜイスラエルはスタートアップ大国なのか?考察してみた

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