こんにちは。最近、日本のテレビ番組でも聞くことが増えてきたイスラエルの街、テルアビブ。なんとなく良さそうって聞くけど、実際どんな感じなのかイメージが湧きにくい方も多いかもしれません。
今回は、テルアビブに関連するニュースや記事をピックアップしました。様々な角度からのニュースを通じて、短時間で効率よくイメージがつかめる内容になっています。テルアビブをあまり聞いたことがない人も、これから観光する予定がある人も、より深く知るためのきっかけになればうれしいです。
テルアビブは海とビーチの街
ググってみるのが一番手っ取り早いのですが、地中海に面するテルアビブは、文句なしに海がキレイです。
かの有名なNational Geographicの記事でも、テルアビブは世界Top 10のビーチの9位にランクインしており、その認知度は折り紙つきです。日本だとハワイやオーストラリアが候補になることが多いですが、これからイスラエルを選ぶ人も増えるはず。
記事から一部抜粋します。
Call it Miami Beach on the Med. Tel Aviv is the Dionysian counterpart to religious Jerusalem. … By day, the scene shifts to the city’s promenade and eight miles (13 kilometers) of beach literally steps from town. Head to wide and sandy Gordon Beach to sit in a seaside café or take a dip in the saltwater pool.
National Geographic – Top 10 Beach Cities
色々書かれてますが、中東のマイアミなる称号を与えられているようです。
どんなビーチか実際に見てみたい方は、TimeOut Israelの記事もあわせてどうぞ。
どのビーチにいけばいいかわからなくても大丈夫です。海沿いにまっすぐ歩けば、メジャーなビーチはコンプリートできます。ジョギングや優雅にお散歩してみるのもよいでしょう。
スタートアップの聖地
ビーチと並んで良く知られているのが、スタートアップの中心地であるということです。
スタートアップとは新しいアイデアやイノベーションを使って、短期間で事業を成長させ、売却を目指す企業のこと。日本だとベンチャー企業という表現がポピュラーです。
両者に大きな違いはなさそうですが、どうやら新しいテクノロジーやビジネスモデルで短期間での事業売却を目論むのがスタートアップ企業であるのに対して、ベンチャー企業は中長期的に腰を据えて社会課題の解決などに取り組むケースが多いようです。
そしてテルアビブではこのスタートアップが盛んだという話です。事業売却→一攫千金を夢見る起業家がたくさんいるのですね。もちろんお金だけでなく、スタートアップを始められるだけのアイデアやリスクを取れるマインド、テクノロジーに精通した人材が多いことの裏返しでもあります。
例えば、スタートアップについて有益なレポートを提供するStartup Genomeが発行しているThe Global Startup Ecosystem Report 2021によれば、テルアビブは我らが東京をおさえて世界第7位の都市としてランクインしています。アメリカや中国の大国にも負けないスタートアップ大国ということがわかります。
人口比でみても、アメリカは3.2億、中国は14億という億単位を超える超大国であるのに対し、イスラエルは僅か921万人ということを考えると、よりイメージがつきやすいのではないでしょうか。
なぜイスラエルでスタートアップなのか?その理由が気になる方はこちらの記事もあわせてチェックしてみて下さい。スタートアップが盛んな理由について、筆者の独断と偏見で考察しています。
詳しくは上の記事で解説していますが、要点をまとめると
- 歴史的、地政学的な背景として、技術を発達させる必要に迫られた
- 暗号やセンサーなどの軍事技術を転用した
- 天然資源の乏しい分、テクノロジー産業に力を入れた
- アメリカとの友好関係を築いている
- 失敗を許容するカルチャー・メンタリティがある
ということになるでしょうか。
さらに踏み込んでイスラエルのスタートアップについて知りたい方はこちらの動画も参考にしてみてください。(英語です)
日本の約2倍?世界一生活にお金がかかる街
意外なことにテルアビブは生活費の面でも世界トップクラス (高い)です。2021年にイギリスのEconomist Intelligence Unit (EIU)から発表されたレポートによると、テルアビブはパリやシンガポールなど名だたる大都市を押さえ、世界第1位となりました。(ちなみに2020年は第5位)
これは、テルアビブの生活費が高いのはもちろんですが、イスラエル通貨であるシェケルが米ドルより強く、イスラエルの物価自体がかなり高いことが理由にあげられます。中東の国だし、どうせ物価安いんでしょ?と思われがちですが、大きな誤解です。
例えば、イスラエルのマクドナルドのウェブサイトからビッグマックセットの値段を見てみると、36シェケル*、なんと日本円にして1306円です。日本のビッグマックセットは690円なので、ほぼ2倍 (正確には1.89倍)の計算になります。これでは気楽にマックにも入れません。イスラエルシェケル、恐るべし。
*デリバリーやテイクアウトではなく、店内で食事した場合。
ですので、バックパッカーや低予算で旅をしたい方は注意して計画を立てるようにしましょう。とはいえ旅人向けホステルなどもありますので問題ありません。
現地の人に聞いた話だと、家賃や生活費がかさむテルアビブには住まず、お隣のラマト・ガンという街から通勤で通うパターンが多いようです。埼玉に住んで、東京都に通勤するイメージが近いでしょうか。
リベラルで多様性のある街
テルアビブは多様性ある街としての顔も持ちます。
中でもレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・クィア (頭文字をとってLGBTQということもあります)といった方々を含む方も多く住んでおり、毎年6月に開催される大規模なゲイ・プライドパレードは国際的にもよく知られています。
おおらかで寛容な街、という感じでしょうか。待ちゆく人の服装を見るだけでも自由な雰囲気がわかるかと思います。
ただし、そんなテルアビブですが、あくまでユダヤ系の人々が大多数を占める街で、アラブ人の住民は極めて少ない点は注意が必要です。ここは歴史にも関わりますので、また別の機会に掘り下げたいと思います。
ここまで、テルアビブの多様性について書いてくると、イスラエルが全て同じように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。あくまでこれはテルアビブに限られた話です。
例えば、同じくイスラエル内にあり聖地としても知られるエルサレムは、テルアビブからバスで約1時間半程しか離れていないにも関わらず、保守的な街です。エルサレムはユダヤ・キリスト・イスラームの聖地としても有名ですが、その影響もあってかテルアビブほどの多様性はなさそうです。
事実、筆者が現地を訪れた時も全く別の国のように感じました。テルアビブは都会的で、海に面した街特有の気楽さが感じられますが、エルサレムは保守的で、厳しさ、緊張感を感じます。
全く性格の違う街なので、そもそも比較するのがナンセンスかもしれませんが、日本人にとっての住みやすさという意味ではテルアビブに軍配があがるかと思います。多国籍の料理が食べられたり、娯楽も多くあります。
ただ、エルサレムには古都としての良さがあり、ぜひいつか住んでみたいと思っています。何といっても聖地ですからね。
終わりに
あまり知らないテルアビブのリアルな部分が伝われば幸いです。
これをきっかけにより深くテルアビブのことを知りたいと思ってくださった方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
実際に観光に行く際の参考になれば嬉しいです。それでは。