なぜイスラエルはスタートアップ大国なのか?考察してみた

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シリコンバレーに次ぐスタートアップの聖地

スタートアップといえば、まず思い浮かぶのがアメリカのシリコンバレーですよね?

でも実は、近年シリコンバレーに次ぐスタートアップの聖地として盛り上がりを見せているのが中東・イスラエルです。

あまり知られていないのですが、実は、普段私たちがお世話になっている(なっていた)USB・ファイアウォールのようなテクノロジーも、実はイスラエル発祥です。

では、なぜイスラエルでスタートアップなのでしょうか。今回はその理由を様々な側面から考察してみました。この記事は初心者の方向けに書いています。

ぜひ見て行ってくださいね。

なぜスタートアップの聖地なのか?5つの理由

結論、大きくは5つの理由があると思います。

  • 歴史的背景
  • 軍事技術の転用
  • 天然資源の乏しさ
  • アメリカとの関係
  • 失敗を許容するメンタリティ

歴史的背景

歴史的な背景として、イスラエルは1948年に国ができてからというもの、ほとんどの間、周りの国々と対立してきました。

具体的には、レバノン・シリア・パレスチナ・ヨルダン・エジプトなどのアラブの国々を指します。

こういった国々に囲まれた環境下で生き残るために、軍事技術を急速に発達させる必要がありました。

まさに必要に迫られたということですね。

軍事技術の転用

1つ目の理由にも関連しますが、軍事技術を応用することで、テクノロジーが発展したというのが2つ目の理由です。

実は、イスラエルには国民の義務として兵役があり、ほとんどの人が軍に入ります。

男子は3年間、女子は2年間と期間が決まっていて、高校卒業後にそれぞれの部隊に配属されます。

このため、イスラエルを旅行していると、まちなかで軍のユニフォームを来た若者を見ることが当たり前になっています。

日本では考えられませんが、イスラエルならではの光景ですね。ぜひ訪れた際はみてみてください。

話がそれましたが、この兵役の期間に、暗号技術やサイバーセキュリティなどの英才教育を受け、兵役が終わった後に学んだことを応用してビジネスを始めるパターンが数多くあるようです。

イスラエルのハイファの街並みと道を行く人々
イスラエル北部の街、ハイファで。肩から銃をぶら下げた兵士を目にするのはあたりまえ

天然資源の乏しさ

3つ目の理由は、間接的ですが、イスラエルには天然資源が少ないということです。

中東 = 石油のイメージがありますが、オイルマネーで潤うサウジアラビアやカタールなど他の中東諸国とは違って、イスラエルは産油国ではありません。

天然資源が少なかったことで、逆にそれ以外の分野(ソフトウェア)を圧倒的に成長させることが成功するための数少ない方法だったと言われています。

近年ではガス田の存在も明らかになってはいますが、天然資源の少なさといったハンデを逆手にここまで成長してきたのです。

イスラエル中部の街ハデラから見える発電所と地中海
イスラエル中部、ハデラの街から見える巨大火力発電所。

アメリカとの関係

両国は古くから強い友好関係にあり、ときに「一心同体」とまで言われることもあります。

中東地域の中で、イスラエルはアメリカにとって重要な同盟国なのです。

トランプ大統領がアメリカ大使館をエルサレムに移転した一件が記憶に新しいですが、イスラエルはアメリカからの様々な面で支援を受け取っています。

お金の面でも、2020年だけでアメリカから約38億円もの財政支援が提供されており、こういった後ろ盾があるのは大きな要素です。この支援が、軍事技術の更なる発展や、ひいてはイスラエルの国としての成長に寄与している部分は大いにあるのではないでしょうか。

エルサレム新市街にあるアメリカ大使館前の通りと揺れるイスラエル国旗
西エルサレムにて。アメリカ国旗とイスラエル国旗がはためいている

失敗を許容するメンタリティ

最後は少し抽象的な話になりますが、失敗を許容するメンタリティーがある点です。

スタートアップを始めるに当たり、やはり心配なのが「本当にうまくいくのだろうか?」、「失敗したらどうしよう」という点だと思います。

普通はどうしても、リスクに目が行ってしまったり、失敗したときの周りの目を気にしてしまいがちですが、イスラエルではリスクを挑戦として受け入れるメンタリティがあるように感じます。

筆者が旅行していたときも、「立ち上げた会社が上手くいかなくていまは2社目の立ち上げ準備中なんだ」と話してくれる人もいました。

周囲の人にとってもこれが当たり前なので、よりリスクを取りやすい環境が整っていると感じました。

まとめ

イスラエルでスタートアップが盛り上がりを見せているのには、今回お話しした理由に加えて、教育制度や企業・投資家を呼び込むための法制度が整っている点など、多くの要素が組み合わさってイスラエルがこれだけ存在感を示すようになってきたと考えられます。

ビジネスや旅行でイスラエルに行く際の参考になれば幸いです。

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