今回は聖地エルサレムへの渡航を考えている方に、エルサレムの回り方について解説します。
イスラエル・パレスチナ双方が領有権を主張していたり、近年はトランプ大統領がアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移したことでも大きな話題になりました。
問題がたくさんある一方で、だれもがきいたことがある聖地としても有名です。人生で一度はいってみたいエルサレムのみどころと、観光の基本をまとめてみました。
- エルサレムの基本的な回り方
- エルサレムで押さえるべきスポット
そもそもエルサレムがどんな場所なのかもう少し知りたいという方にはこちらの記事もあります。
治安面が不安な人にはこちらもあります。あわせてチェックしてみてください。
まずは基本から!エルサレムは西・東・旧市街の3地区に分かれる
まず、エルサレムはイメージとして大きく3つの地区にわかれています。
観光するときは、この地区ごとに行きたいスポットを決めると計画を立てやすいです。
- エルサレム旧市街
- 西エルサレム (エルサレム新市街)
- 東エルサレム
アルジャジーラで使われているこの図がとても分かりやすいので紹介します。
この3つのカテゴリに沿って、解説していきます。
エルサレム旧市街 (Old City of Jerusalem)
概要:旧市街で歴史を感じる
エルサレムの代名詞といっても過言ではないエリアです。
英語ではOld City of Jerusalemといいます。
歴史的に最も重要なスポットは、ほぼここに集まっています。
城壁に囲まれた、数千年の歴史が息づく街です。
基本全て徒歩での観光になりますが、実は丘の上にできた街となっており、場所によってはアップダウンが激しいところもあります。
細い道が入り組んでいて迷路のようになっているので、お気に入りの通りや景色を見つけるのも楽しいです。ここに住むローカルの人も少しはいますが、地区全体が観光地になっています。
旧市街はアルメニア人地区・キリスト教地区・イスラム教地区・ユダヤ教地区の4区画に分かれており、歩いてみると同じ旧市街でも微妙に雰囲気が変わるのを楽しめると思います。
旧市街の中にはバックパッカー向けのホステルがたくさんあるので、とことん旧市街を楽しみたいという方にはおすすめできます。起きてすぐに旧市街を散策できるのが素晴らしいですね。
主な観光スポット:狭い地区に集中しており、観光しやすい
- ダビデの塔
- 最後の晩餐の場所
- 嘆きの壁
- ヴィア・ドロローサ
- 聖墳墓教会
- 岩のドーム
- アルアクサ―モスク
- ダマスクス門
- 城壁歩き
注意点:観光客向けの強引な客引き・執拗な声掛けに用心
エルサレム旧市街は世界中から観光客が来るため、現地の人々は観光客の扱いに非常に慣れています。もちろん全員ではありませんが、中にはぼったくりや試食や試着と見せかけて強引に購入させる手口が頻発しています。 (実際に何度も経験しています)
これは筆者の意見ですが、控えめな日本人はカモとして認識されている感がありますので、はっきり断るときは毅然とした態度で臨みましょう。
女性のグループ、もしくは女性一人で観光している場合も非常にしつこく声掛けしてくる場面を目撃していますので細心の注意を払いましょう。最悪走って逃げるか、周囲の観光客に助けを求めましょう。
西エルサレム (West Jeruasalem)
概要:まるでヨーロッパ?綺麗でな街並みが特徴
新しくできたエリアです。エルサレム”新市街”と呼ばれることもあります。
英語では文字通りWest Jerusalemといい、人によってはJewish Jerusalemと呼ぶ人もいます。
大きなバスターミナルもこの地区にあり、他の都市へのハブ拠点になります。
歴史的な観光スポットだけでなく、グルメやショッピングもここでできます。
広いエリアになるので、スポットの優先度付けが必要なってきます。
旧市街を重点的に見たければ、そんなに回らなくてもいいかも。
優先度としては、旧市街を見たあと時間に余裕があればまわる感じでOKだと思います。
主な観光スポット:西エルサレムは広いので優先度をつけよう
- マミラモール
- メア・シェアリーム
- エルサレム市役所
- ヘルツル山
- ヤド・ヴァシェム
- マハネ・イェフダー
- 議会
- エルサレムバスターミナル
旧市街からバスに乗る必要がありますが、個人的にはメア・シェアリームが一番の衝撃でした。良かったらチェックしてみてください。
注意点:広いので徒歩だけでは困難、なんとなく歩き回れる距離ではない
エルサレムと聞くとどうしても旧市街を想像しがちですが、西エルサレムは旧市街よりも広く、観光スポットが散らばっています。なんとなく歩くと間違いなく疲弊しますので、事前に行きたい場所をいくつかに絞り、効率良くまわれるようにしておくことを強くおすすめします。バスや路面電車もうまく活用しましょう。
ショッピングや食べ物を楽しみたい人はマハネ・イェフダーに、イスラエル建国やホロコーストの歴史関連のスポットに行きたい方はヤド・ヴァシェムやヘルツル山がよいです。
東エルサレム (East Jerusalem)
概要:アラブ感満載の地区でホスピタリティを感じよう
エルサレムを一望できるオリーブ山などがあるエリアです。East Jerusalemになります。
1967年の第三次中東戦争までは、ヨルダンの支配下にあった地域で、西エルサレムとは雰囲気が全く異なります。まるでヨーロッパのような街並みの西エルサレムに比べて、東エルサレムはアラブ感が満載です。
ごちゃごちゃしたアラブのエネルギーを感じられたり、レストランではお手頃な価格でたらふく食べることができます。パレスチナの厳しい現実を垣間見ることもあると思いますが、それも含め旧市街とあわせて必ず言っておきたいエリアです。
このようにエルサレムは西・東に分かれていますが、イスラエル人は西エルサレム、パレスチナ人は東エルサレムにとどまりお互いの地区を行き来することはあまりありません。
エルサレムに滞在中、西エルサレムのイスラエル人の家に居候させてもらいましたが、彼は連日のように東エルサレムに出かける私をみて、「お前は今日もあっち側にいったのか。」と嫌そうにつぶやいたのをよく覚えています。
主な観光スポット:スポットは限られているので迷うことはない
- オリーブ山
- 昇天教会
- ロックフェラーガーデン
- ゲッセマネの園
- 生誕教会
- ダビデの町
- ヘブライ大学
注意点:暑さと治安には注意
東エルサレムはオリーブ山のように、旧市街から20-30分歩いていくスポットが多々あります。
春から秋にかけてエルサレムを訪れる予定の方は、なんといっても中東のうだるような暑さ、熱中症に注意してください。たかが20-30分と思いますが、上り坂などもあり想像以上に体力を奪われます。不安な方はタクシーを検討すること、歩きの場合は早朝か夕方の暑さのピークを外していくことをおすすめします。
もう1点、オリーブ山付近では治安が悪く地球の歩き方のようなガイドブックでも注意喚起がされています。基本夜までいることはないと思いますが、出歩くときには注意してください。知人では石を投げられたというケースもあります。
エルサレムおススメの宿泊エリア
圧倒的大多数の方はエルサレム旧市街で多くの時間を過ごすことになります。
よって、エルサレム旧市街内もしくは徒歩圏内に宿泊することをおススメします。
具体例をいくつか紹介します。目的やシーンによって使い分けてください。
基本的にエルサレム旧市街の中はホステルなどの安宿がほとんどになります。
旧市街の外のホテルは、旧市街から離れるにつれて金額も安くなっていく傾向にあります。
シーン | ホテル | 場所 |
予算に限りあり、バックパッカーの方向け | Citadel Youth Hostel | エルサレム旧市街 |
お手頃に、でもふかふかのベッドで寝たい方向け | City Center Hotel Jerusalem | 西エルサレム |
ちょっと予算に余裕がある方向け | King Solomon Jerusalem Hotel | エルサレム旧市街 |
予算上限なし!優雅な時間を過ごしたい方向け | King David Hotel | エルサレム旧市街 |
King Davidは豪華な5 starホテルでいつかは泊まってみたいホテルです。
あくまで一例で他にも非常に多くのホテルがあります。
ご自身の行く場所や好みに合わせて選んでみてください。
エルサレムの移動手段
エルサレムでの移動手段は大きくはこの4つです。
徒歩
旧市街や東エルサレムの散策は基本的に徒歩移動になります。
比較的狭いエリアの中を動き回ることになります。
歩きでの新たな発見も旅の醍醐味です。
歩きやすい靴、服装で行きましょう。
路面電車
驚くことにエルサレムには近未来的な見た目の路面電車が走っていて、ハイテクな一面もあります。
旧市街から新市街への移動や、旧市街からバスターミナルに行くときは使います。
乗るためにはRavKavというプリペイド式のカードが必須です。Suicaのようなもので、電車やバスに乗るときも使えます。一枚持っていて損はありません。
タクシー
徒歩とあわせて検討したいのがタクシーです。エルサレムは小高い丘や山も多く、実はアップダウンが激しい場所。すでに書きましたが、現地の気温は高く、特に夏場は日中の気温は35℃を超えることもしばしば。炎天下の中ずっと歩いていたら熱中症になってしまう可能性もあります。
流しのタクシーが多くいますので、疲れたタイミングで上手に活用してください。ただし、タクシーで一番注意が必要なのが、料金。エルサレムは観光客が多いため、法外な値段を吹っ掛けられることもしばしばあります。
5-10分の近距離のタクシー移動であれば100シェケル (3000円程度)を超えてくることはありません。
数百シェケル(5000円 -10000円)を要求されたらぼったくられていると思いましょう。値段も、降りる時ではなく、乗る時点で交渉しておくことをおすすめします。
バス
ローカル感を味わいたければおススメです。エルサレムも、バスが頻繁に走っています。
少し離れた観光スポットにいくときには重宝します。
ただし、ドライバーの運転が荒いので注意してください。
乗客が転げ落ちた..なんて話もよく聞きます。
せっかくのエルサレムが少しでもよい思い出になるお役に立てれば幸いです。