イスラエルのスタートアップから学ぶ、失敗の捉え方と日本社会について思うこと

start up nation and importance of failure NEWS
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こんにちは。スタートアップってご存知でしょうか。

新しい技術や知見で起業をして、売却を目指す企業のことです。


最近、中東の国イスラエルがスタートアップの聖地として存在感を増しています。

でもなんで、イスラエル?って思いませんか。私もそう思いました。


そこで、イスラエルのスタートアップに関する本をいくつか読んで、わかってきたことを共有したいと思います。

この記事はこんな人向けです。

こんな人向け
  • イスラエルでなんてスタートアップなのと疑問に感じている方
  • 日本だと起業がしにくいとモヤモヤ感じている方
  • 失敗は成功のもとだと思う方
  • 失敗は悪だと思う方

解説していきます。

イスラエルのスタートアップを理解するために読んだ本

今回イスラエルのスタートアップについて理解するために読んだのはこちら。

詳しく知りたい人はチェックしてみてください。

こちらの記事でもそれぞれの本を紹介しています。

【入門書】イスラエルのスタートアップ関連のおすすめ本5選を紹介

イスラエルはスタートアップの聖地

聖地といっても、どの程度なのか気になりますよね。

2021年のランキングではアメリカ、イギリスに続き世界3位にランクイン。

人口800万の小国でありながら大健闘ですね。

イスラエルでスタートアップが花開いた5つの理由

イスラエルがスタートアップの聖地だとして、なぜなのか。

理由は様々あると思います。

が、何冊か読むうちに、どの本でも共通して書かれていることに気が付きました。

それを5つ紹介します。

1. 移民の国 = リスクテイカーである

イスラエルは、世界中のユダヤ人が集まってできた、いわば移民の国です。

出身はヨーロッパから中東までさまざま。

移民はもといた国を出て、着の身着のまま逃げてきた人も多いはず。

言葉も話せず、仕事もなく、文字通り0からイスラエルでの生活を始めた人ばかり。

そんな過酷な環境での経験を通して、リスクをとって環境を変える決断をしたこと、そして新しい事業を始めることに対して抵抗が少ないのかもしれません。

2. イスラエル軍での軍事技術が民間でのビジネスに転用・発展された

例外はあるものの、イスラエルは国民皆兵制です。

男子は32ヶ月間、女子であっても24ヶ月間の兵役が課せられます。

その間、戦闘部隊に配属される人もいれば、諜報部隊で暗号技術やサイバーセキュリティについて叩き込まれるのです。

この知見が大きな差別化要因となって、民間での事業に転用されるケースが多くあります。USBや自動運転のカメラなどがあります。

3. イスラエル軍で濃密な人間関係が築かれた

次もイスラエル軍に関連する理由です。

高校を卒業して間もない若者が、社会から切り離されて軍に入る。

そんな辛い時期をともに過ごす分、仲間同士の絆も深まります。

実際に兵役後もつながり、共同創業者として起業するケースが多い。

平和で兵役にいかなくても良いのが一番ですが、兵役にはこんな側面もあるのですね。

4. 不安定な環境で生きてきたことで、不確実性への耐性ができた

イスラエルは1948年に建国されてから何度も戦争を経験してきました。

今でも、シリアやレバノンをはじめ周囲の国々と複雑な関係にあります。


最近だと、2021年のガザ空爆が記憶に新しい方もいると思います。

常に先行きの見えない戦時状態のような環境で生きることで、不確実性や緊急事態への耐性ができたと言われます。

5.集団主義 vs 個人主義

移民が多いためか、イスラエルは個性豊かな人やアイデアが多く集まります。

対して日本は、古くから単一民族で生きてきました。

例えば教育の観点でみても、イスラエルは個々の考えや独創性が重視されます。

良く言えばクリエイティブ、悪く言えば統率のないカオス状態です。


対して日本は、先生に教えを乞い学ぶスタイル。

いわば、決まった解を先生がもっていて、そこから外れることは良しとされなかったわけです。

日本人として生きてきて、ある種の息苦しさを感じたことは否めません。


今回は5つの理由をあげましたが、イスラエルの置かれた環境、そして軍の存在が大きな要因になっているのは間違いなさそうですね。でも平和が一番ですが。

失敗の捉え方から見るイスラエルと日本の違い

ここまでイスラエルでスタートアップが盛んな理由をみてきました。

つねに失敗のリスクがつきまとう起業において、イスラエルがここまで前向きなはなぜでしょうか。

日本だと起業に対する一般的な意見って、こんな感じではないでしょうか。

  • 一か八かの賭け
  • ごく少数の選ばれた人しかしない
  • 失敗したら恥ずかしい。再起不能

もちろんこれが全員の意見というつもりはありません。

でも実際、成長したなと感じるのは、失敗から学ぶことだったりします。

失敗せずにできるに越したことはないですが、過度に失敗を恐れたり、失敗を悪と見るとチャレンジできない風土ができます。

なぜ日本で起業は浸透しないのか。根底にはこんな考えがあると思います。

  • 人と違うことをするのは悪 (出る杭は打たれる同調圧力)
  • リスクをとること = 悪だと認識されている


でもこの考えが一概にだめなのかというと、そうでもないです。

当然良い面もあります。

  • 改善や1→10にする活動に強みがある
  • 統率が取れている分、安定している

イスラエルと日本、どちらも違う良さがある

つまるところ、どちらが良いか悪いかの議論ではないです。

イスラエルを手放しで褒めたいわけでも、日本を批判したいわけでもない。

イスラエルにはイスラエルの良さ、日本には日本の良さがあり、逆もまた然りです。

たとえば何もないところをビジネスを構想し、実行に移すフェーズはイスラエル人に強みがあり、生まれたビジネスを改善し安定させるためには日本人の特性はマッチするでしょうか。


重要なのはそれぞれの違いをわかったうえで、良いところは取り入れる姿勢です。

少子高齢化、人口減少が見込まれる日本がこれからも世界で競争力を持つためには、イスラエルは一つのやり方として参考になると思います。


人によっても合う・合わないがあるので心地よい方でチャレンジすればよいかと。

最終的には、個々人がやりたいことを自由にやれる社会になるといいですね。

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