フランス料理、イタリア料理と言われるとパッと想像がつきますが、アラブ料理と言われるとあまりイメージが湧かないのではないでしょうか。今日は中東のパレスチナとその周辺地域で食べられているアラブ料理を紹介したいと思います。
こんな疑問をお持ちの方むけです。
- アラブ料理といわれてイメージがつかない、特徴を知りたい
- パレスチナの料理といわれてイメージがつかない
- 現地で実際にどんな料理がたべられているのか知りたい
今回は料理の紹介に留めており、レシピは載せていませんが、また別の記事で紹介する予定です。
そもそもアラブ料理とは何を指すのか?
一口にアラブ料理といっても様々です。
アラブ地域は北アフリカのモロッコやエジプトからアラビア半島のサウジアラビアやUAEまで、非常に広い地域を指します。このため、場所によって料理が違ったり、同じ料理でも微妙にバリエーションがあったりします。
今回は、筆者がよく訪れるパレスチナ地方に住むアラブ人が食べる料理を紹介します。なお、ここにはイスラエルも含みます。理由はイスラエルにもアラブ人が住んでいるからです。
なお、イスラエル料理とアラブ料理は何が違うのと疑問に思われた方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
パレスチナ地方のアラブ料理とは?
アラブ料理といっても様々あるのがわかったところで、次にパレスチナ地方で食べられている料理の特徴を紹介します。
- 料理にスパイスを多用
- 地中海沿岸の温暖な気候で育ったオリーブを多用。地中海料理ともいう
- かつてオスマン帝国の一部だったこともあり、トルコの影響を受ける
- パレスチナ (イスラエル)・シリア・レバノン・ヨルダンはまとめてシャーン地方と呼ばれ、多少の差異はあれど近しい食文化を共有
特徴がわかったところで、具体的な料理を一挙公開します。
アラブ料理(パレスチナ地方)を紹介
いわゆるパレスチナ地方の料理の特徴がわかったところで、実際の料理を写真とともに紹介します。
サラダ・軽食・パン・メイン・デザートごとに紹介しています。
気になるところをチェックしてみてください。
サラダ系
タブーレ | Tabbouleh
一言でいうとパセリのサラダです。
細かくみじん切りにしたパセリとブルグルという穀物(クスクスに似ている)を混ぜあわせてレモン汁で味付けしたサラダになります。
日本だとパセリをサラダにして食べる習慣があまりないので、最初のうちはパセリの香りが気になる方もいるかもしれませんが、とっても美味しいです。
ファットゥーシュ | Fattoush
こちらもサラダの1種です。
レタス、きゅうり、トマトのベーシックなサラダの上に、クルトンよろしくカリカリにトーストしたピタパンとフェタチーズをたっぷりのせて食べます。食感がとても好きです。
アラブサラダ | Chopped Salad
きゅうりとトマトをダイスカットし、レモン汁と塩とミントを加えたシンプルなサラダです。
味付けがさっぱりしているので、気温が高く気候が厳しい中東でも食べやすくなっています。
軽食系
オリーブ | Olives
アラブ地域の中でも、パレスチナやシリア、レバノンなどの地中海沿岸地域ではオリーブは欠かすことのできない食材です。
オリーブオイルはもちろん、オリーブの酢漬けも日常的に食べます。日本ではオリーブと聞くとまずイタリアやフランスを思い浮かべがちですが、パレスチナのオリーブも負けていません。
フムス (ホンモス) | Hummus
ひよこ豆をペースト状にして、レモンやオリーブオイル、少々の水を加えたものです。
日本でもヘルシーフードとして、かなりポピュラーになってきました。
中東料理といえばまず先に名前があがる料理です。
ラバネ(ヨーグルト)| Labane
ヨーグルトをこして、水分をとってペースト状にした料理です。
オリーブオイルをかけてピタパンと食べたりします。
クリームチーズに近いイメージ・味わいです。
ファラフェル | Falafel
ひよこ豆をペーストにし、あげてコロッケにしたものです。
きゅうりやトマトキャベツなどの野菜と一緒に来たパンに挟んで食べることが多いです。
ヘルシーなファーストフード的な位置づけで、最近は日本でもヘルシーフードとして耳にするようになりました。
ショーラバ | Shorba
アラビア語でスープの意味です。
写真はトマトベースのスープに短いパスタを入れたものです。
パン系
ピタパン | Pita Bread
アラブ人にとってなくてはならない主食がピタパンです。
日本人にとってのお米と同じ存在です。これ単体で食べるというよりは、フムスやラバネ(ヨーグルト)やザータルなどにつけてたべることが多いです。
マナイーシュ(マナキーシュ) | Manaish
薄く伸ばしたピザ生地に、ザータルというタイムのようなスパイスを乗せて、焼いたものです。アラブ版のピザと言うとわかりやすいかもしれません。軽めの食事として食べられていて朝食に現地のアラブ人は食べたりします。また、ザダルだけではなく、チーズをのせて焼いたマナイーシュもあります。
ボレーカス | Bourekas
チーズをパイ生地で包んで焼いたペストリーです。
朝食や軽めの食事のときによく食べられています。
パイ生地とチーズの組み合わせ、不味いわけがないですよね。
日本のパン屋さんにおいてほしいです。
スフィーハ(スイハ)| Sfeeha (Sfiha)
こちらもパイ生地を使った料理です。
パイ生地の上に牛ひき肉をのせてトーストした料理です。
ひき肉と一緒に松の実(パインナッツ)を乗せて焼いたりもします。
メイン系
クーサ | Koosa
クーサはアラビア語でズッキーニです。中身をくりぬいたズッキーニに、スパイスで味付けしたご飯を入れ、トマトスープで煮たメイン料理です。
作るのに手間がかかりますがトマトとズッキーニの相性が抜群でとても美味しくいただきます
クッベ (キッべ) | Kubbeh (Kibbeh)
牛ひき肉とブルグルを塩コショウやスパイスと混ぜ合わせたあと、片手で種を握るようにして整形して、焼いた料理になります。ラグビーボールのような形が特徴的です。クッべにもバリエーションがあり、肉を直にやくものや、下の写真のように外側を生地で包んだりもします。
シャワルマ | Shawarma
こちらもファラフェルと並んで、代表的な料理の1つです。
トルコ料理でよく知られるケバブと同等のものです。
削いだ牛肉や鶏肉を、スパイスミックスと混ぜて炒めて、野菜やピクルスとともにピタパンに挟んで食べます。タヒーニというごまのソースをかけて食べたりします。
写真は、ピタパンでなく、バゲットに挟んています。
マシャーウィ | Mashawi
アラブ地域に限らず、トルコなどでもシシカバブなどと呼ばれて親しまれていますが、炭火でグリルした肉です。牛・チキン・ラムなどがあり、ミニトマトや玉ねぎも一緒にグリルして食べます。香ばしさが抜群です。
マクルーベ | Maqloubeh
ご飯を使ったメイン料理の1つです。
マクルーベはアラビア語でひっくり返すというような意味合いです。
鍋底にあげたにんじんやカリフラワーナスなどを入れ、その上にご飯とターメリックやカルダモンなどのスパイスを入れ、炊いたものです。最後にひっくり返してさらに盛り付けるとケーキさながらの豪華な見た目になります。
お祝い事があった時などに食べられる料理です。
お隣のシリアでは野菜はシンプルに茄子のみを使うようです。
クスクス | Cous Cous
日本ではクスクスと呼んでいますが、こちらではモゴラビーエと呼んでいます。北アフリカのマグレブ地方から来た料理のためです。
きのこのチーズ詰め
マッシュルームの中にチーズを入れてオーブンでやいた料理です。
日本のものに比べて、尋常じゃない大きさのマッシュルームだからこそ作れる料理です。
あまりのマッシュルームの巨大さに、キノコというよりもはやステーキを食べている感覚に陥りますが、口に入れるとキノコのうまみが広がります。
アクーブ | Akkoub
パレスチナ地方にしか生えない珍しい植物を使った料理です。
英語だとグンデリアと言う名前で知られており、一見するととても食べることができなそうなとげがある植物です。
これを手間ひまかけて取り除き、茹でてあげると茎の部分が柔らかくなって食べられるようになります。ヨーグルトソースと煮て食べるのが現地流。
日本人にとっては温かいヨーグルトに対してかなり違和感があるかもしれませんが、こちらではヨーグルトがかなりポピュラーです。スープやソースなど様々な場面で料理に使われます。
デザート系
バスブーサ | Basbousa
アラブの伝統的なスイーツで、セモリナ粉の生地で作ったケーキをシロップに漬けてつくります。
しっとりとした食感が特徴です。甘みをしっかり感じますので、甘党にはたまらない一品です。
クナーファ | Knafe
たっぷりのチーズの上にセモリナ粉でできた生地を載せ、さらにその上に甘いシロップと砕いたピスタチオをまぶしたスイーツです。
パレスチナのナブルスと言う街が本場として有名で、絶品のクナーファが味わえます。
フティール | Fteer
見た目はクナーファにとてもよく似ていますが、セモリナ粉を使うクナーファに対して、フトゥールはパイ生地を使っている点が異なります。
マアムール | Maamoul
クッキーの中にペースト状のナツメヤシを入れたアラブ版クッキーです。
ラマダンと言うイスラム教の断食月によく食べます。
終わりに
今回はパレスチナ・イスラエルで食べられているアラブ料理を紹介しました。
少しでも具体的なイメージ・興味を持っていただけたら幸いです。
よかったら、これを機会に試してみてください。